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zoom RSS ロアルド・ダール「あなたに似た人」

<<   作成日時 : 2005/10/26 00:00   >>

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「チョコレート工場の秘密」の作者のロアルド・ダールが書いた
大人向けの短編集、「あなたに似た人」を読みました。収録されている
15編はどれも奇妙な人物が奇妙な行動をとるものばかり。しかし
読み進めるうちに彼らの奇妙さがこちらにも伝染して…?



それぞれの短編の主人公は、賭け事に目がないか頭のねじがぶっとんで
しまっているか、それともその両方かの人ばかりです。かれらの不気味な
様子を詳しく細かく描写したダールの文章は、読んでる最中、

「もうかんべんしてー!!」

と思うこともしばしばでした。読んでて寒気がするほど気味の悪い描写なのに、
読むのをやめることができないのがつらかったです(じゃあやめろよ)。

そんな15編の感想を短くまとめてみると…

「味 Taste」
金持ちのワイン蒐集家と美食家が、あるワインの産地をあてられるかどうか
賭けをします。賭けの対象になるのはなんと18歳になる蒐集家の娘…。
美食家の男性がワインを試飲する様子がねちっこくて、不気味です。
彼がじわじわと産地を絞り込んでいくくだりを読んでると、
「頼む!はずれてくれ!」
と哀願したくなりました。美食家の気持ち悪さに不快指数70%。

「おとなしい兇器 Lamb to the Slaughter」
ある若い夫婦におきた悲劇。必要最低限の文章でうまくまとめられています。
自分の食べたラム肉が実は…と想像するとかなりキツイけど、身重の奥さんも
気の毒なので、ちょっと抑えて不快指数40%。

「南から来た男 Man from the South」
ライターで続けて10回火を起こせるか、という賭けの話。賭けをやってる場面は
まさに「ひぃぃぃーっ!もうやめてーっ!!」です。読み終わってから自分の
親指をまじまじと見つめてしまいました。最後に出てきた女性の手の描写で
眩暈がしたので、不快指数80%。

「兵隊 The Soldier」
真っ暗な中を犬を連れて歩く男の話。読んでるこちらも目隠しをされているような
気分になりました。不快指数30%。

「わがいとしき妻よ、わが鳩よ My Lady Love,My Dove」
賭け事が好きなある夫婦の話。この題名でこの内容か!とのけぞってしまう
ほど、とっても“仲の良い”夫婦が2組出てきます。旦那さんがお気の毒なので
同情して不快指数20%。

「海の中へ Dip in the Pool」
豪華客船内での“航行距離当て懸賞”でひとやま当てようとする男の話。
「この男バカだなー」とあきれてしまいました。ギャンブルってこんなものかも
しれませんけど。それでも男の運命を考えるとぞっとするので不快指数50%。

「韋駄天のフォックスリィ Galloping Foxley」
いつもの通勤電車の顔ぶれに突如あらわれた新顔はなんとかつて自分を
いじめぬいた男…。オチには爆笑しましたが、主人公がこのあとどうなったのか
考えるとちょっと恐い。不快指数15%。

「皮膚 Skin」
自分が昔背中に刺青を彫らせた絵描きが成功して…。刺青を背負った男の
末路を考えてはいけないと思いつつ、考えてしまって気持ちが悪くなりました。
不快指数60%。

「毒 Poison」
ベッドに横になっていたら、いつのまにか自分の腹の上に猛毒を持ったヘビが!
毒ヘビよりも助けに来た医者をののしる男のほうが不快です。不快指数65%。

「お願い The Wish」
子供の頃、横断歩道とかで「白いところしか歩いちゃだめ」とかってルールを
作って遊んだことありませんか?それがエスカレートした話。昔筒井康隆が同じ
テーマでショートショートを書いてました。筒井さんもダールの影響を受けてたり
するのかな?不快指数10%。

「首 Neck」
女房の尻にしかれた男性の話。この女房がむかつくので、
「やっちまいな!旦那!」と思わず旦那を応援したくなりました。不快指数0%
(むしろ痛快)。

「音響捕獲機 The Sound Machine」
幻聴を聞く男に振り回される医者も気の毒ですが、男の隣人の女性はもっと
気の毒。でも“バラは切られるたびに悲鳴をあげている”というところを読んで、
大島弓子の「バナナブレッドのプティング」を思い出してしまいました…。
不快指数25%。

「告別 Nunc Dimittis」
老資産家が、自分の陰口を言った女性に一泡ふかせようとする話。
女は怒ると恐い、ということでしょうか。文中にでてくる“鮭のような口”というのが
わかるようでわかりません。不快指数5%。

「偉大なる自動文章製造機 The Great Automatic Grammatizator」
“自動文章製造機”は東野圭吾の「超・殺人事件」にもあったような。
しかしダールの書く文章は機械には真似できないと思いますが。
“機械が人間の代わりをする”話は、大体オチが2通りにわかれますが、
今回の場合はさて・・・?文人きどりの技術者がちょっとヤな感じなので
不快指数10%。

「クロウドの犬 Claud's Dog」
クロウド・カベッジとその犬にまつわる話。この作品だけ4つの章にわかれて
ます。しかし第1章を読んだ時点で不快指数が100%になってしまいました。
あー気持ち悪いったら。第2章はちょっと切ない(?)話。第3章は…これまた
気持ち悪いので省略。第4章はクロウドが自分の犬のジャッキイをドッグレース
に出場させる話です。インチキレースでひと山あてようと目論んでいたクロウド
でしたが…。レースで酷使される犬たちがかわいそうだったのでトータルで
不快指数25%ということに。

毒のある文章の中にも、古きよき時代のイギリスの雰囲気が漂っていて、
どれも面白かったです。ちょっとわかりにくい話もありましたが、何度も読み返して
いるうちに意味がわかるようになる…のかな?


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