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zoom RSS ネビル・シュート「パイド・パイパー」

<<   作成日時 : 2005/10/20 23:58   >>

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ネビル・シュートの「パイド・パイパー」を読みました。何ヶ月も前に
本屋で見かけたとき、帯に「宮部みゆき氏オススメ!」とかなんとか
書いてあったので気になっていたのですが、なかなか読むタイミングを
逃していたのをやっとこさ読みました。




舞台は1940年のフランス。イギリス人の老紳士ハワードは、戦火に
ありながらフランスの山村へ静養に出かけるのですが、山奥のひっそりと
した村にも戦争の影は忍び寄ってきて、とうとうハワードも帰国せざるを
えなくなります。しかも彼はそこで知り合った国際連盟の職員夫婦から、
彼らの子供2人をイギリスに連れて行って欲しいと頼まれ、子供連れで
帰国することに。ハワードが困惑しつつも道を進めていくうちに、途中で
泊まったホテルのメイドの姪や両親を爆撃で失った少年など、次々と旅の
道連れは増えていき…。


タイトルの「パイド・パイパー(PIED PIPER)」とはいわゆる“ハーメルンの笛吹き”の
ことです。(私がこの言葉を知ったのは山岸凉子のマンガでですが…)ハワードが
旅を続けるうちに連れて行く子供達がどんどん増えていく様子はまさにその通り。
もちろんハワードは“ハーメルンの笛吹き”のような不気味な人物ではなく、立派
なイギリス紳士なのですけど。普段姪っ子(4歳)を叱ってばかりいる私は、それ
まで縁もゆかりもなかった子供たち(しかも多国籍!)に優しく接するハワードの
姿を読んで反省することしきり、でした。

とくに5歳のシーラ(一番最初にハワードが預かった国際連盟職員の娘)が熱を
出したり退屈してぐずりだす場面を読むと、姪っ子のことを思い出しました。あれ
くらいの年頃の子供は、母親以外の人の言うことを聞かないんですよね〜(母親
の言うことも時々…)。姪っ子たちのおかげで、私もハワードの旅の苦難をより深く
理解できたような気がちょっとだけします。なーんてね。


第2次大戦のさなかに、ドイツ兵の目から逃れながら子供達を連れて旅をすると
いう物語に映画「バティニョールおじさん」を思い出しましたが、この小説は1942年
に書かれているので、こちらのほうが先ですね。

ちなみにこの「パイド・パイパー」、訳者のあとがきによると出版されてすぐに
映画化されているそうです。1990年代にはテレビドラマにもなっているとか。
確かにこの小説は老いたる身でありながら戦火の中を子供達を連れてイギリスを
目指すハワードの心の強さや、大勢出てくる子供達それぞれの個性をこまやか
に、しかし過剰にならずに描いています。なので読んでる間、挿絵もない小説
なのにまるでロード・ムービーを見ているような気分になって、既に映画化されて
いることを知らなかった私は

「これを映画にしたらさぞ面白いだろーなー」

とのんきに考えてました。素人の私でもそう思うのですから、映画&ドラマになる
のは当たり前ですね。映画かドラマのどちらかでいいから見てみたいけど、ちょっ
と厳しいかなー。ラストがちょっと曖昧な感じで「?」と思ったのですが、この小説
が書かれた1942年の時点ではこういうラストになってしまうのかと思うと、複雑な
気持ちになりました。作者も子供達に安易なハッピーエンドを与えられなかった
のね、と。

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