森下裕美「大阪ハムレット」第1巻

以前から読もう読もうと思っていた「大阪ハムレット」、気がついたら
手塚治虫文化賞短編賞をもらってました。おめでとうございます。





同賞の長編部門は「テレプシコーラ」が受賞したそうで。これまたおめでとう
ございます。これでもうテレプシがこのまま終わってしまうのでは、という
心配から解放されます…。

……。

されるんだよね?

そんなテレプシの話は置いといて、「大阪ハムレット」です。作者の森下裕美
さんの、一番有名な作品は「少年アシベ」だと思いますが(私は『ここだけの
ふたり』も結構好き)、この「大阪ハムレット」はアシベのような4コマではなく、
大阪を舞台にした一話完結(前後編もあり)のストーリーマンガです。登場
人物はたまにかぶりますが、同じ人物なのに話によって描かれ方が違って
いたりして、興味深かったです。

では、それぞれの話の感想を。(※ネタバレあります)



「大阪ハムレット」

主人公のユキオ君、先生にインネンつける場面では悪ガキかと思いましたが、
読んでるうちにだんだんエエ子なことがわかってきて、ほっとするのと同時に
ほろりときました。ユキオ君のおかあちゃん、ええ息子持ったなぁ。しかし
看護士やのに自分の妊娠に気づかんのには無理がある気が。

ユキオ君の新しいお父さんの顔を見ると、「少年アシベ」に出てきた双子、
アキラマサルを思い出します。森下さん、こういう顔描くの好きですよね。


「乙女の祈り」

「大阪ハムレット」シリーズは、毎回主人公の写真が扉絵になっているの
ですが、私は最初にこの「乙女の祈り」を読んだとき、扉絵を見落として
ました。そして再読したときやっと扉絵を見たのですが…思わず泣いてしまい
そうになりました。まだ10歳のヒロくんの「死んだらしまいやん」という呟きが
重かったです。「大阪ハムレット」に出てきた福田先生が、ひとコマだけ再登場。
弟の福田先生も兄を見習って、立派な教師になって下さい。

個人的にはヒロ君の将来よりもヒロ君にときめいてる美濃君の将来のほうが
心配です。


「名前」

最初、タイトルがなんで「名前」なのかわかりませんでしたが、ラストでようやく
わかりました。主人公アイコの甥っ子のヨシ君は「乙女の祈り」にも出てきます
が、あまりに人相が違うのでびっくりしました。アイコとアイコの義理の妹の
義江、それぞれシンプルな顔なのに、化粧してるときとしてないときではっきり
違うのがさすがです。シンプルだからこそはっきり分けられてるのか?

「乙女の祈り」と2話連続で出てきたユウさん、彼が主役の話も読んでみたい
です。おっさんみたいだけど、悪いコではなさそうですし。


「恋愛」

全話の中で一番度肝を抜く設定の話。主人公のマー君とマー君のお姉ちゃん
(とお父ちゃん)の顔がそっくりなのが笑えます。高校教師の由加ちゃんが、
マー君の年齢詐称を見抜けなかったのは「?」でしたが、マー君はよっぽど
老け顔なんでしょうね。

子供の頃、親に甘える事ができなかった由加ちゃんが、大人になってやっと

「お母ちゃん アタシさみしいねんしんどいねん」

と泣いてすがる場面にはこちらも泣かされました。どうなることかと思っていたら
オチはハッピーエンドで、こちらにはほっとさせられました。


「おんなの島」

悩める乙女(?)、ヒロ君が再登場。舞台は鳥羽の近くの島。海女さんやってる
波江ねえちゃんの爆乳にはクラクラきましたが、それとは関係なくヒロ君が
“女の幸せって?”と考える姿に、こちらも考えさせられました。ジュン君の
リベンジのためにも、ヒロ君には翌年もまた島に来てもらいたいです。


…とまあ、1巻はこんな感じ。「乙女の祈り」に出てくる、ヒロ君のおばちゃんの
話は、先日起きた痛ましい出来事を思い出して切なくなりましたが、それ以外は
ほのぼの、ほぼハッピーエンド?な感じで読後感もよかったです。2巻も既に
買って読み終わってますので、近々感想を書こうと思います。


関係ないけど、「大阪ハムレット」と言おうとするとつい「大阪豆ごはん」と
言いそうになる…。

大阪ハムレット (1)

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