今市子「百鬼夜行抄」巻之九

仕事帰りに紀伊国屋に行ったら、「百鬼夜行抄」の文庫の9巻が
出ていたので買いました。その隣りに「夜と星のむこう」もあったので
一緒に買ったのですが…うーむ、続けて読むと絵の劣化が著しい
ことがよくわかる…(『夜と…』の感想は次の機会に書きます)。






8巻で別れの危機が訪れた晶ちゃんと三郎ですが、9巻でもまだ
はっきりした決着はつきませんでした。2人に転機がくるのは10巻?
それとも11巻?9巻では意外な人(?)の過去話が出てきます。
相変わらずどの話もややこしくて一読しただけではよくわからないの
ですが、果たしてそれは私の読解力不足のせいだけなのか…。

では、収録作品の感想です。

「番人の口笛」

あいかわらずさまよい続ける晶ちゃん。初登場時は怪異現象を冷静に
分析できる唯一のキャラだったのに、今ではすっかりお騒がせ娘になって
しまってます。町の中をゾンビが普通に歩いている光景は、恐ろしいはず
なのになぜかほのぼのして見えました。(少年のゾンビは怖かったけど…)
とりあえず、夜笛を吹くのはやめることにします。

知識はあるのに、周囲をひっかきまわすだけであまり役に立ってくれない
開さんが赤目に会ったら…どんな化学反応が起きるでしょうね?


「天上の大将」

飯島家の桜の主、尾白&尾黒の過去話…多分(尾白についてははっきり
書いてありますが、尾黒についてはぼかし気味なので)。殺された産婆&
娘の幽霊がものすごく怖かったです。2人の長吉のおばあさんが、あの後
どうなったのか考えると…ひーっ!!

悲しい話なのに、読後感がそう悪くないのは、いまの尾白と尾黒が飯島家で
幸せに暮らしているからでしょうか。


「床下の賢人」

こんどは飯島家を縁の下で守っている妖魔の登場です。このタイトル、「天上」と
「床下」で対になってるんでしょうか。妖魔との取引で何度もひどい目に会ってる
のに、今回も律はうっかりひっかかってました。しかし律も開さんも、文明の利器
とは相性が悪いみたいですね。

「妖魔と人は相容れない」というテーマは以前から出てきてましたが、今回は
これまでとは違った形でした。しかし最後のページに出てきた卓は、もとから
いた人間の卓なのか、人間になった妖魔なのか、よくわかりません。いとこの
あおいちゃんは、あれが誰なのかちゃんとわかってるのかな…最後のコマで
新顔のおじさんに冷静に突っ込みをいれてる司ちゃんにウケました。


「介添人」

お次は時代をうんと遡って、蝸牛の若い頃の話。8巻では開さんがいわくつきの
お嬢さんとお見合いをしてましたが、9巻では倞さんがお見合いしてました。
10巻でも誰かお見合いするのかな?倞さんと八重子おばあちゃんの仲は未だに
進展がありません。ああイライラするぅ。

お見合い相手のお嬢様、ド迫力の美人です。できればもう少し丁寧に描いて
欲しかったですが…しかし倞さんは孫の律と違ってモテますね。決め手は
あのメガネなのか?


「迎えにきて」

以前にも読んだ事がありそうな、あっさりした短いお話。しかしこのマンガの
中では「美人=幽霊または物の怪つき」と相場が決まってるんでしょうか。


「鬼の面」

9巻で一番怖いお話でした。近藤君に新しい彼女ができてハッピーエンド、と
思いきや…。最初になっちが見た鬼の面はなんだったんでしょう。真理子の
怨念が見せた幻?結局、因果応報はあるんでしょうか、ないんでしょうか。


「野に放たれて」

輪廻転生ネタは好きですが、これはいまひとつのれませんでした。
「介添人」にも“篤志”というキャラが出てきましたが、この話にも出てきます。
一瞬関係があるのかと思いましたが、全然ありませんでした。今さんは
“篤志”って名前が好きなのかな?


今回は絵の荒れようとスッキリしない結末の話が多かったのが残念。
晶ちゃんの顔がどんどん崩壊しちゃってます。開さんや倞さんはわりとかっこよく
見えるのにな~(律は?)

ニュースで朝日ソノラマは解散すると聞きましたが、ネムキはどうなるのか
気がかりです。


百鬼夜行抄 (9)

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

kiriy
2007年06月26日 09:27
おはようございます。
>果たしてそれは私の読解力不足のせいだけなのか…。
私もいつもそう思いながら、彼女の本を読んでいます。かなり真剣に読んでしまうので、のめり込んでしまうのかなと思っているんですよ。これって、今市子さんの作戦かな(笑)

「天上の大将」はラストの飯嶋家の暖かいシーンに救われましたよね。

どの作品もとっても好きですが、確かにラストが曖昧で、勝手に想像しろと言う感じのものも多いですよね。でも、その曖昧さが甘く切なかったりもします。

絵が荒い・・・言われて観るとそうなんですよね。でも、表紙とか裏表紙の美しさに騙されて、そのイメージで一気にいってしまっているので、普段は気がつきませんでした。

書き続けることは大変な事かも知れませんね。でも、ずーッと続けて欲しいと思っているので、頑張ってほしいですよね。


ちなみにうちの下の子供は、パソコンが壊れる時に、必ず最後に触っているので、「律」みたいだと言われています(笑)

もちきち
2007年06月26日 23:42
>kiriyさん
私も、最後まで読み終わってからもう一度読み直す、なんてことがしばしばあります。

長い連載なので絵柄が変わってしまうのはしかたないですが、小さいコマの絵がぐしゃっとなってるのは気になります。最近の青嵐は昔ほど美しくないのも残念です。でもカラーは相変わらずきれいですね。
朝日ソノラマがこれからどうなるのかわからなくて心配ですが、最終回まで見届けたいものです。

お子さん、律と同じ体質なんですか?実は内緒で白い鳥と黒い鳥と飼ってたりして(笑)

この記事へのトラックバック

  • プラダ 財布

    Excerpt: 今市子「百鬼夜行抄」巻之九 Creme Tangerine/ウェブリブログ Weblog: プラダ 財布 racked: 2013-07-10 00:56