さそうあきら「神童」

いくら人気があるといっても、何年も続いてるマンガばかり読んでいると
どうしても飽きがきてしまいます。そこで
「面白いマンガはねえがーっ!!」
と(心の中で)叫びながら本屋のマンガコーナーを漁っていたら、ようやく
このマンガに出会いました。さそうあきらの「神童」です。






「ようやく出会った」なんて書きましたが、実は前からこのマンガの存在は
知っていました。「いつか読もう、いつか読もう」と思いつつはや数年。その
間にどんどん単行本が入手しにくくなり(なんせ双葉社だし)、これは本屋で
取り寄せてもらうしかないかな~と覚悟した途端に文庫本をゲットすることが
できました。文庫で全3巻。1冊600円なので全部で1800円。とりあえず
1巻だけ買って店の外で読み、すぐに残りの2冊をまとめ買いしました。

ここから先ネタバレあります。ご注意下さい。

主人公はピアノ科志望の音大浪人生の和音(ワオ)と、野球が大好きな天才
少女ピアニスト、成瀬うた。自分のピアノに自信が持てなかったワオの音は、
自由奔放なうたのピアノの音に触れることで少しずつ変わっていく。そして
うたもまた、著名ピアニストの代演をきっかけに世界の桧舞台で脚光を浴びる
ようになるのだが…。

アマゾンのユーザーレビューなどで、さそうさんの絵柄について色々書いて
あるのを読んで、「そんなにひどいのか?」と心配していたのですが、それほど
でもありませんでした。むしろ絵柄と内容のバランスがとれていてちょうどいい
と思います。もし「神童」の絵が曽田正人みたいだったら、くどくて読んでられな
かったかも。いや、「昴」は結構好きなんですけどね、私。

ストーリーは一貫しているような、そうでないような。作者のさそうさん曰く
このマンガは「大好きな音楽を音で表現するのではなく、エピソードとして
表現していく」
ことを目指したそうなので、ある意味短編集と言っていいの
かも。うたが世界デビューするまでは、ほぼ1話完結の形式ですっきりまと
まってますし。

声楽科のカノンは、うたにとっては恋のライバルにあたるわけですが、さそう
さんの絵とストーリーだと結構あっさりしていて、どろどろしていません。むしろ
カノンの存在があるから、ワオとうたの関係が安定するような。うたはカノンに
ライバル意識むきだしでしたが。

うたの母親は、うたにピアノ以外のことをさせようとしない教育ママですが、うた
の代わりに宿題をやったら間違いだらけだったりして、憎めない人です。家を
差し押さえられてお金がなくなり、うたと2人でかけそばを分け合う場面は
「一杯のかけそば」のパロディみたいでおかしかったです。

終盤、うたが聴力を失ってしまってから復活するまでは展開が急すぎてちょっと
「?」な気もしましたが、ワオがうたのためにベートーヴェンを弾く場面は感動的
で、読んでて泣きそうになりました。ベートーヴェンの曲は何度も聴いたり
弾いたり映画や漫画、小説で触れてきたはずなのに、自分は何もわかってなか
った、そんな気持ちになりました。

最終回の復活コンサートで、なぜうたが「舟唄」を弾いたのか。ワオにはちゃんと
伝わっているのかな、きっと伝わっているでしょうね。

文庫本のそれぞれの巻末に、各エピソードに対して作者が選曲したBGMが
掲載されています。普段はあまりやらないのですが(音のない状態で想像する
のと、実際に聞く音でイメージがずれるのが怖いので)、今回はなるだけ集めて
聴いてみようかな、という気になってます。

ところで、この「神童」は成海璃子×松山ケンイチで今年の3月に映画が公開
されます。公式サイトのストーリー紹介を読んだ感じでは、かなり原作を改変
しているようです。個人的には、原作をただなぞるだけの映像化には意味が
ないと思うので別に構いませんが、去年映画化した某少女マンガみたく、
主人公が意味なく関西弁しゃべったり、カトリック系のお嬢様学校なのに制服が
やたら露出度高かったり犬がCGだったりと改変しすぎたあげくに大コケする

といった悲惨な結果にだけはならないでほしいと思います。。。

ま、さすがにあれはないか。

神童 (1)

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