長原万里子「道草教室」

講談社のKissで連載中の、長原万里子の「道草教室」1巻を
買いました。同じ雑誌ののだめはどこの本屋でも全巻平積みに
なってますが、これはあちこち探して3軒目でやっと見つけました。
発売されて間もないっていうのに…。




主人公のエマは大手銀行を入行後半年でやめてしまい、今はニートの身。
母親の小言を聞きつつ、ヨガをやったり憧れの美少年アイドル“K”にハマ
ったりしてだらだらと日々をすごしていた。社会に出て働いている友人達と
少しずつズレを感じ始めたエマだったが、ある日ひょんなことから六本木に
あるフリースクール「きりひと学園」で教師をやることになり…。

連載が始まった最初の数回はエマがメインだったのですが、途中から
フリースクールの生徒が入れ替わりで主役になる話に変わっていきました。
雑誌で読んでたときは
「担当のアイデアでテコ入れしたのかな?」
と思っていたのですが、単行本のあとがきに
“先生が全面に出てこない学校モノを描きたかった”
とあったので、どうやら長原さんは最初からこの路線を狙っていたようです。
もともと長原さんは長いストーリーモノよりも一話完結系の話のほうが
面白い人なので、エマがずっと1人で頑張る話でなくてよかったと思います。
前作「ほのかな休日」も連載前の短い話のほうが良かったですし。

最初に書いたように、一般的に見て長原さんはマイナーな漫画家だと思い
ますし、内容も贔屓目に見てもベタだなぁと思うことがしばしばあります。
でもベタな分共感できるところが多くて、第1話に出てくる、まだきりひと
学園で教師を始めるまえのエマのモノローグ、

“だから次は間違えたくないの よく考えて仕事も彼も
自分にあうもの(・人)を見つけたいのよ”


と、教師になってから、以前勤めていた銀行を辞めたときのことについて
語ったときのセリフ

“あとからものすごい悔いと自己嫌悪が残ったの
それはね 本当の本当はまだ自分がやれるってわかってたから”


は両方ともウッときました。よく考えたら、なんか矛盾してる気もするんですけど
ね。最初のモノローグでは銀行を辞めたことを後悔しているように思えない
ので。でも両方とも、グサリと自分の胸に突き刺さりました。私自身、昔勤めて
いた会社を辞めたことについて、「もっと頑張れたのでは」と後悔するときもあれば
「自分にはむいてなかった」と思うときもあるので。

連載当初、エマのお気に入りのアイドルKの顔が某韓流スターにそっくりだった
ことが気になっていたのですが、話が進むにつれてだんだん長原さんオリジナル
の顔に落ち着いてきました。このK(本名は森山景)のエピソードと、エマに憧れる
鉄道オタクの木ノ内君のエピソードは、どちらも恋愛モノと呼べるほどディープな
内容ではありませんでしたが、じんわりくるものがあってよかったです。できれば
このまま恋愛テイストは薄めにして、生徒ひとりひとりの成長をメインに据えて
欲しいと思います。もちろん、エマの教師としての成長も含めて。一応ヒロイン
ですから。しょっちゅう忘れられてるけど。



道草教室 1 (1)

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