ダン・ブラウン「天使と悪魔」(ややネタバレあり)

「ダ・ヴィンチ・コード」の前作、「天使と悪魔」が角川文庫から発売
されたので読んでみました。今年の初めに、これと「ダ・ヴィンチ~」の
両方を読んだ友人が、「『ダ・ヴィンチ・コード』より『天使と悪魔』のほうが
面白い」
と言ってたので気になってたのですが…。




※以下の感想はネタバレを含みますので、未読の方はご注意下さい。



ハーバード大学教授で宗教象徴学学者のロバート・ラングドンは、スイスに
ある科学研究所セルン(欧州原子核研究機構)の所長、マクシミリアン・
コーラー
から一枚のファックスを受け取った。そこに印刷されていたのは、
科学者でありカトリックの司祭であるレオナルド・ヴェットラのむごたらしい
死体だった。コーラーはラングドンに、ヴェットラの胸に刻まれた奇怪な焼印の
説明を求めたのだ。しかも犯人はヴェットラを殺害しただけでなく、彼の開発
した、核の数十倍のエネルギーを持つという反物質を持ち出していた。
コーラーの指図で、ラングドンはヴェットラの義理の娘で科学者の
ヴィットリアとともにヴァチカンへと向かう。しかしその時ヴァチカンではコンク
ラーベが行われており、4人の次期教皇候補の枢機卿が謎の失踪を遂げて
いた。枢機卿を誘拐し、反物質を盗み出したのは誰か―ヴェットラの胸の焼印の
文字、「イルミナティ」は17世紀にガリレオが創設した秘密結社のことを指す
のか―ラングドンは知力と体力を尽くして犯人のしかけたゲームに挑むが…。

むごたらしく殺された老人の死体に、世界的な観光名所で行われる謎解き。
ラングドンとともに行動する聡明な美女は殺された老人の身内で、忠実に
使命を果たす殺人者を操る人物の姿は見えない―とここまで書いたら、
「天使と悪魔」のことなのか「ダ・ヴィンチ・コード」のことなのかわからなくなって
きました…もちろんこの「天使と悪魔」も、エンターテイメントとしては充分すぎる
出来映えなのですが。ラングドンが誘拐された枢機卿達を探して、17世紀の詩に
隠された謎を解きながらローマにある名所旧跡を訪ねていくのは読んでて面白
かったです。「ダ・ヴィンチ・コード」のときはパリのルーブル美術館に行きたく
なったけど、「天使と悪魔」を読むとローマに行きたくなりました。コンクラーベや
ヴァチカンについてのトリビアも面白かったし、前教皇侍従(カメルレンゴ)が
科学と宗教について熱弁をふるう場面は、この小説の中で一番読み応えが
ありましたし。

カトリック教徒ではない私でも、教皇候補になるほど徳の高い聖職者を、フィク
ションといえどもこうもむごたらしく殺していいのかと思ったくらいですから、この
「天使と悪魔」も、「ダ・ヴィンチ・コード」同様にカトリックの教会から問題視されて
いるんじゃないでしょうか。真犯人の手足として動く暗殺者について、詳しい描写
は控えてありますが、それでも反発を感じる人もいそうです。

最後の最後に「出生の秘密」ネタが出てきたときは、正直「またかよ!」と
心の中で叫んでしまいました。ここまでくるとあっぱれです。ダン・ブラウンは
ラングドン・シリーズの3作目を執筆中だそうですが、その3作目がこれまでの
2作とどう違うのか、そしてどこが一緒なのか、比較検証するのが今から楽しみ
です。多分、というか絶対3作目の冒頭でラングドンはソフィーと終わってるんだ
ろうな…。

まあそれよりなにより、今回も
半分くらい読んだ時点で犯人が誰かわかってしまった
ことが一番問題か…。だってほかに犯人になりそうな人いないじゃん…。

余談ですが、「天使と悪魔」を読んでいる間、私の頭の中ではヴィットリアは
アンジェリーナ・ジョリーでした。イメージはぴったりだけど、ヴィットリアはイタリア
美女だから、アンジーではないですよね。第一、トム・ハンクスとアンジーでは
2人のギャラで予算が尽きる…。

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この記事へのコメント

わからんわぁw
2009年11月17日 12:36
レオナルドの焼印って 実験室でどうやって熱したのでしょうねw

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